対流圏オゾンは、温室効果ガスであると同時に光化学オキシダントとして大気の酸化力をコントロールしている物質であり、その増減は大気環境や生態系に多大な影響を及ぼしている。対流圏オゾンは、主に一酸化窒素と過酸化ラジカルとの反応で生成した二酸化窒素が光解離する過程で生成することから、二酸化窒素の生成過程を把握しないと、対流圏オゾンがどこでどのように生成・消滅しているのかを定量的に理解することができない。本研究は、都市大気中の一酸化窒素および二酸化窒素の三酸素安定同位体組成を実測し、大気中の二酸化窒素の生成過程を定量的に判別することにより、正味のオゾン生成速度を見積もることを試みたので報告する。