日本地球化学会年会要旨集
2025年度日本地球化学会第72回年会講演要旨集
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G4 初期地球から現在までの生命圏の地球化学
魚類眼球水晶体の窒素同位体標識と高解像度分析による母性効果の評価
*樋口 富彦中村 政裕笹木 晃平高畑 直人白井 厚太朗伊藤 進一
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p. 84-

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抄録

魚類は海洋食物網の中間栄養段階を担い、水産資源としても重要であるが、自然界で時系列に沿った食性は十分に解明されていない。従来の胃内容物分析に代わり、近年は眼球水晶体などの組織に蓄積された元素・同位体情報を用いた地球化学的手法による食性の復元が注目されている。本研究では、15Nで標識した餌をカタクチイワシ仔魚に与え、眼球水晶体内の15N分布をNanoSIMSで可視化した。その結果、水晶体には成長に伴う同心円状構造とともに、初期層に高濃度の15Nが検出され、標識餌の摂取と水晶体形成の関係が明らかとなった。これは、母性効果の影響を受ける領域とそれ以降の餌由来窒素の蓄積過程を示しており、食性復元の精度向上に向けた基礎的知見を提供するものである。

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