情報地質
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論説
地質構造の論理モデルを解析するのに有効なビット演算
塩野 清治大熊 俊明
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2015 年 26 巻 3 号 p. 121-134

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抄録

地質構造の論理モデルに関わる集合演算を実行するのに有効なビット演算を提案する.Sが3次元領域Ωを上下に2分する面であるとき,領域Ωを面S,面より上側部分S+ ,面より下側部分S という互いに素な部分空間に3分割し,面Sによって生成される8種類のΩの部分空間それぞれに3桁の2進数を対応づける.このとき,部分空間の集合と3桁の2進数の集合とブール同型となり,の元に関する和集合,共通集合,補集合などの集合演算は上のビット演算に置き換えることができる.複数の面S1, …, Sn が与えられたとき,各面によって生成される部分空間の共通集合を2進数の組(n-tuple)に対応づけて,p(x1, …, xn)と表現する.それらの共通集合,和集合,補集合はパラメータx1, …, xn に関するビット演算に置き換えられる.その手続きを演算公式として一般化した.この方法の有効性を4つの境界面で区切られた地質構造に対する論理モデルへの適用例を通じて確認した.

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© 2015 日本情報地質学会
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