地質学雑誌
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論説
岩手県二戸地域の中新統門ノ沢層から発見されたGeloina (二枚貝綱: シジミガイ科) とその古生物地理学的意義
松原 尚志小守 一男大石 雅之
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2004 年 110 巻 12 号 p. 765-770

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抄録

Geloina が岩手県二戸郡一戸町の下部中新統最上部門ノ沢層舘砂岩部層から初めて発見された. これは新第三紀-第四紀を通してGeloina としては最北の産出記録となる. 分類学的検討の結果, この化石GeloinaG. cf. stachi Oyama と同定された. この産出により, 熱帯海中気候事件の時代 (ca. 16.5-15.0 Ma) のマングローブ湿地の分布は東北地方北部にまで達していたことが明らかとなった.

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© 2004 日本地質学会
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