抄録
走査型レーザー顕微鏡 (LSM) を用いた画像計測により堆積岩中のビトリナイト反射率を決定した. LSMでは単波長で平行性のよいレーザー光線を用いているため, 光源および単色フィルターの種類や絞り調整によらない客観的データを得ることができる. このような光学的な特徴に加えて, LSMでは反射光の輝度分布をデジタルイメージとして処理することができるという利点もある. 今回はLSMによって紀伊半島と九州の白亜系四万十帯から採取された試料を解析し, ビトリナイト反射率を精密に決定することに成功した. LSMのデータと従来の手法で調べた結果は同じトレンドを示すが, 前者は後者に比べて相対的にやや低い値を示した.