地質学雑誌
Online ISSN : 1349-9963
Print ISSN : 0016-7630
ISSN-L : 0016-7630
論説
関東山地南東部,秩父累帯南帯の中部ジュラ系チャート・珪質泥岩から産した混在放散虫化石群集
石田 直人村田 正文
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 112 巻 3 号 p. 197-209

詳細
抄録
関東山地南東部の秩父累帯南帯に分布する海沢層から,時代の異なる放散虫化石が同一単層中に含まれる混在放散虫化石群集が産出した.混在群集は中部ジュラ系(Aalenian~Bathonian)チャート・珪質泥岩中の4試料から認められ,極少数のペルム紀・三畳紀放散虫化石と多数の中期ジュラ紀放散虫化石から構成される.ペルム紀・三畳紀の放散虫化石は6属12種が識別され,その時代は前期三畳紀を除く前期ペルム紀の後期から中期三畳紀にわたる.混在群集中のペルム紀・三畳紀化石は,遠洋・半遠洋域において化石単体で再堆積したと見られる.中央太平洋の遠洋性堆積物における再堆積した微化石の事例を参考にすると,再堆積化石の供給源は海山の様な大洋底上の地形的高まり側面の堆積物である可能性が考えられる.
著者関連情報
© 2006 日本地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top