地質学雑誌
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論説
山陰地方中部の新第三系における変質帯の分布
歌田 実
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2007 年 113 巻 8 号 p. 438-453

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抄録
山陰地方中部の新第三系(砕屑岩を除く)の変質をX線粉末法により調べた.その結果,この地域の変質は続成作用,広域中性変質作用,ホルンフェルシック変質作用,熱水変質作用,風化作用によるものであることが区別された.ホルンフェルシック変質は分布が極めて小さく,風化作用については記載を省略した.
続成変質岩は沸石類により特徴付けられ,広域中性変質岩はスメクタイト-緑泥石系によって特徴付けられる.熱水変質岩は多数の変質鉱物によって構成されているが,脈状のものと層状のものに大きく分けられる.続成変質岩には種々の層準で他のタイプの変質が重複しているが,その様相は地域により異なっている.
変質岩の帯磁率の測定を行った結果,変質作用の種類によって有意の差異があることが判明した.
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© 2007 日本地質学会
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