地質学雑誌
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エラータ
Erratum:紀伊半島中央部に分布する四万十帯白亜系麦谷層の地質と砕屑性ジルコンU-Pb年代
志村 侑亮常盤 哲也竹内 誠山本 鋼志
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2018 年 124 巻 9 号 p. 776

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抄録

訂 正

123巻11号(2017年11月号)掲載の志村ほか論文(p. 925-937)において,手法の記述と引用文献に誤りがありましたので,以下のように訂正いたします.(地質学雑誌編集委員会)

[訂正事項]

p. 930 右段上から18~21行目:手法の記述と引用文献の誤り

(誤)最も若いクラスター年代は,Dickinson and Gehrels(2009)に基づき,1σの誤差で重複する最も若いクラスター(2粒子以上のジルコンから構成される)の加重平均値とする.

(正)最も若いクラスター年代は,年代的に隣り合い1σの誤差で重複し続ける最も若いクラスターの加重平均値とする.

p. 935 左段上から34~37行目:引用文献の削除

(誤)Dickinson, W. R. and Gehrels, G. E., 2009, Use of U-Pb ages of detrital zircons to infer maximum depositional ages of strata: A test against a Colorado Plateau Mesozoic database. Earth Planet. Sci. Lett., 288, 115-125.

(正)削除.

[説明]

志村ほか(2017)では,堆積年代を制約するためDickinson and Gehrels(2009)のYC1σを用いて最も若いクラスター年代を算出した.Dickinson and Gehrels(2009)のYC1σの正しい計算方法は,「1σの誤差で示される若い年代と1σの誤差で重なる2粒子以上でつくる最も若い年代クラスターの加重平均値」であるが,志村ほか(2017)では計算方法を誤認し,「年代的に隣り合い1σの誤差で重複し続ける最も若いクラスターの加重平均値」を求めていたことが判明した.誤認した方法では,本来含めるべきではない古い年代も含めて加重平均値を求めたため,試料15083005の最も若いクラスター年代値は著しく古い値となった.

志村ほか(2017)のジルコン年代に関して,Dickinson and Gehrels(2009)のYC1σに基づき最も若いクラスター年代を再計算すると,試料15111701では106.6±2.5Ma(1σ),試料15100202では108.6±1.8Ma(1σ),および試料15083005では105.5±1.8Ma(1σ)となる.しかし,これら3試料の計算方法の誤認が志村ほか(2017)の結論を変えることはない.

(著者一同)

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© 2018 日本地質学会
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