抄録
大阪平野西部で採取された住之江コア(A~F孔)を用いて, 大阪湾東部沿岸地域の過去13万年間の層序, 堆積シークエンスおよび堆積環境の検討を行った.その結果, 以下の3項目が明確となった.(1)住之江コアは7つの堆積ユニット(Sm-1~Sm-7)に区分される.このうちSm-7~Sm-5は上町累層(中位段丘堆積層), Sm-4~Sm-2は難波累層(沖積層)に区分される.(2)住之江コアには2つの礫質網状河川システム(Sm-5およびSm-4)ならびに2つの内湾~デルタシステム(Sm-7~Sm-6およびSm-3~Sm-2)が認定される.(3)住之江コアをシークエンス層序学的に解釈するならば, 過去13万年間に3つの第5から第6オーダーの堆積シークエンス(DS1~DS3)の認定が可能である.