日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
原著
女性高齢者の手段的日常生活活動能力と日常記憶能力の特徴―早期認知症の能力評価法の検討―
森 明子, 杉村 公也
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2007 年 44 巻 4 号 p. 470-475

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抄録
目的:認知症群と健常群の2群におけるAssessment of Motor and Process Skills(以下AMPS)で測定される手段的日常生活活動(以下IADL)能力とRivermead Behavioral Memory Test(以下RBMT)で測定される日常記憶能力の特徴を明らかにし,早期認知症の能力評価について検討することである.方法:対象者は102名の女性で,1カ所の介護老人保健施設と3つのグループホームに入所している52名の認知症群と,自宅で暮らしている健常群50名であった.参加者は68歳以上92歳以下だった.認知症群と健常群のAMPSの運動技能,処理技能と,RBMTの前方視記憶得点,後方視記憶得点,総得点の3種類との相関を検証した.成績:認知症群,健常群の両群ともAMPSの運動技能は前方視記憶得点,後方視記憶得点,総得点と相関が認められなかった.AMPSの処理技能は後方視記憶得点,総得点とは相関したが,前方視記憶得点とは相関しなかった.このことからIADL遂行能力と前方視記憶能力は同時に低下するものでないことがわかった.さらに散布図で詳細に分析したところ,IADL遂行能力は高いものの前方視記憶能力が障害されている群(II群)が認知症群,健常群の両群で認められた.結論:IADL能力と日常記憶能力は相関を認めたが,前方視記憶得点のみ相関が認められず,散布図の結果から認知症群,健常群共に前方視記憶得点はIADL遂行能力に関係なく低下することが明らかになった.ゆえに高齢者を評価する場合,IADL遂行能力と日常記憶能力の両面を評価する必要があると考えられた.今回の2つの方法を用いれば,MCIのスクリーニングが有効,確実に行い得ることになると考えられる.
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© 2007 一般社団法人 日本老年医学会
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