日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
原著
簡易観察尺度AD8日本語版(AD8-J)の信頼性と妥当性の検討
目黒 謙一葛西 真理中村 馨栗原プロジェクトチーム
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キーワード: AD8, 認知症, 信頼性, 妥当性, 日本語
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2015 年 52 巻 1 号 p. 61-70

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抄録
目的:家族・介護者による簡易観察尺度であるAD8について,開発者の許可を得て日本語版を作成した.地域在住75歳以上高齢者を対象に,認知症の判定におけるAD8日本語版(AD8-J)の信頼性および妥当性を検討した.方法:対象はClinical Dementia Rating(CDR)0(健常)高齢者は214名,CDR 0.5(Mild Cognitive Impairment;MCI)高齢者は289名,CDR1以上(認知症)高齢者は69名の計572名であった.認知症の診断はDSM-IVを用い,CDR 1以上との一致を確認した.信頼性はCronbachのα係数およびGuttmanの折半法による信頼係数を用い,妥当性は,ROC曲線下面積,感度,特異度を求めMini-Mental State Examination(MMSE)と比較した.またAD8とMMSEとの相関について検討した.結果:CDR群別のAD8日本語版(AD8-J)の平均値は,CDR 0群は0.8点,CDR0.5群は1.7点,CDR 1以上群は5.7点であった.Cronbachのα係数は0.88, Guttmanの折半法による信頼係数はG=0.85であった.妥当性については,健常+MCI vs. 認知症の場合,AD8日本語版のReceiver Operating Characteristics(ROC)曲線下面積は0.89(p<0.0001),カットオフ値を1/2点とした時の感度は88.4%,特異度は68.4%であった.AD8とMMSEのROC曲線下面積に有意差は認められなかった(p=0.865).AD8の総点および各下位項目はそれぞれMMSEと有意に相関した(Pearson, p<0.0001).結論:AD8日本語版(AD8-J)は,認知症の判定法として信頼性および妥当性が高く,地域在住高齢者の認知症の簡易尺度として有用である可能性が示唆された.
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© 2015 一般社団法人 日本老年医学会
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