抄録
心筋細胞にもエストロゲン受容体, 両方が局在し, 女性ホルモンであるエストロゲンが心筋の肥大・炎症に抑制効果を有することが明らかになった. 臨床例でも, 高齢女性が高血圧による心肥大・心不全を合併しやすいことや, ホルモン補充療法が心肥大を抑制することが報告されている. エストロゲンが心筋細胞肥大を抑制するメカニズムとしては, ERK・AP-1活性化の抑制作用やカルシニューリン・NFAT3の活性化抑制作用, さらにその上流にあるGqに対する直接作用がわかってきた. 本稿では, エストロゲンの心筋細胞について自験例も含めて概説する.