抄録
チンチラ兎から偶発する黒色兎に注目して, これから純黒美麗で相当大型の黒色毛皮用種を分離することを目標として, 先ずチンチラ兎の毛色の遺伝の様式を808頭の産仔について調査した.
この産仔の毛色から帰納的に, 親兎各個体の毛色因子型を推定した. その結果, A 列については Aa, C 列については cchc, D 列については Dd のものがあることが判つた.
更に偶発した黒色兎を調査したところ, 後代に黒色のもののみを生ずる aacchcchDD のものは今迄のところ現われていないが, 既に aacchcchDd のものが現われているので, 今後この aa cchcchDD を持つ個体を分離することが可能であると考えられる.