2024 年 48 巻 2 号 p. 99-104
我が国では,腎硬化症は経時的な増加傾向を示し,現在,透析導入原疾患の第2位となっている.腎硬化症の主要要因は高血圧であるが,加齢を含め動脈硬化進展要因が広く関与する.また,高尿酸血症に伴った腎障害も腎硬化症の腎病理像を示すことが知られている.
今回我々は,30代から高尿酸血症を伴い,非高血圧性/非腎炎性と考えられ比較的急速に腎機能低下を認めた59歳男性と41歳女性の腎生検所見を検討した.2症例とも良好な血圧管理あるいは血圧正常にもかかわらず,1例目は2年でeGFRが17 mL/min/1.73m2低下,2例目は1年でeGFRが5 mL/min/1.73m2低下と,進行性腎機能低下を認めた.腎生検では高度糸球体腎硬化病変と高度な尿細管萎縮,間質線維化を認め,細小動脈には明らかな動脈硬化病変は認められなかった.残りの糸球体では肥大を認め,糸球体過剰濾過の存在が推察され,腎硬化症の進展に高尿酸血症の関与が疑われた.また,腎疾患・高尿酸血症の家族歴は明らかでなく,高尿酸血症を伴う常染色体優性尿細管間質性腎疾患の関与も否定できなかった.
高尿酸血症を伴う腎障害では,血管障害,腎硬化病変とそれに伴う尿細管間質障害を認めることが報告されているが,その発症・進展機序に 関しては,更なる検討が必要と考えられる.