日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
ポリエピクロルヒドリン加硫物の熱老化と安定化
中村 儀郎森 邦夫岡 作次郎
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1974 年 47 巻 1 号 p. 48-55

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抄録

トリチオシアヌル酸・マグネシア・ジフェニルグアニジン (I), 2-メルカプトイミダゾリン・鉛丹 (II), ヘキサメチレンジアミンカルバメート (II), 2-ジブチルアミノ-4.6-ジメルカプト-s-トリアジン・マグネシア (IV), 2-メルカプトイミダゾリン・硫化鉛・硫黄・マグネシア (V) の5種の加硫系によって加硫したポリエピクロルヒドリン加硫物について175℃での酸素または空気中での架橋密度, ゲル分の変化および酸素吸収量を測定した。
以上の諸結果および160℃での熱老化による機械的強度の低下率の関係から加硫物の耐熱老化性は III<IIV<IV<Iの順にすぐれることを明らかにした.さらに (I, IV), (II), (III) または (V) によってそれぞれ形成されるチオ-s-トリアジン, モノスルフィド, ビスアミノアルキルまたはポリスルフィド架橋鎖の熱老化機構を明確にし, これら架橋鎖の耐熱老化性はニッケル-ジブチルジチオカルバメート, 2-メルカプトベンズイミダゾール, フェニル-β-ナフチルアミンのような抗酸化剤によって向上することを示した.

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