日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
スポンジゴムの応力ひずみ関係について
北田 隆
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 47 巻 2 号 p. 104-112

詳細
抄録

スポンジゴムのセル構造に, その規則性を仮定することにより, その物理的な挙動の推察を試みた.また仮定したモデルのパラメータを実験によって推定し, スポンジの構造的な要素を知ろうと試みた.まず, そのモデルとしてスポンジのセルを球と考えたが, 実際の計算上ではそれを更に18面体とした.このモデルにおいて, 18面体の中央部に考えた正方形板6枚に, 圧縮荷重が作用した場合, 力方向に平行であるこの正方形板を圧縮すると, 板は四辺を横ぶれすることなく, 力方向にたわんで中央鶴が前後に曲って出てくる.この場合, 力方向に対し板の射影変位が生じる。このような仮定から正方形板の曲げは, 四辺単純支持による薄板の圧縮曲げに関する微分方程式を適用し, これを解いて応力を求めた.そして18面体の要素を採りいれた圧縮応力式を算出した.セル膜厚み等が均一なスポンジでは, 小変位のうちに座屈応力に達してしまうが, 現実のスポンジでは膜厚などの分布が広く存在しており, 弱い膜から座屈していき応力の軌跡が描かれる.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top