日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
伸線加工による拡散法黄銅メッキ線の接着性向上について
ゴムと金属の接着に関する研究 (第2報)
西本 秀雄松島 秀典
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1974 年 47 巻 2 号 p. 98-103

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抄録

前報において拡散法黄銅メッキはシアン浴黄銅メッキに比べて接着性は極めて低く, また拡散法黄銅メッキ, シアン浴黄銅メッキを問わず伸線加工したものはいづれも接着性は高くなり, 拡散法黄銅メッキの場合にその効果が著じるしいという結果を得たが, これに基づき本報では, 基礎配合ゴムと拡散法黄銅メッキについて拡散条件, 伸線加工条件と接着性及びメッキ構造と接着性に関して検討した結果, 拡散法黄銅メッキはシアン浴黄銅メッキに比べてメッキしたままでは不活性であるが, 伸線加工によって遊離の銅原子からなる結晶粒子の細分化が起こり活性化して接着能が高まり, 更に活性化した銅の結晶粒子の数は拡散時間に対してガウスの誤差曲線に従がう分布をなすことを認めた.
τ=τm exp {-k (t-tm) 2}
ただしτは接着力, tは拡散時間, τmは最高接着力, tmはτmを与える拡散時間である.
また, 最高接着力は拡散温度が500℃前後で急激な変化を示すことが明らかにされた.

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