日本草地学会誌
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山地草原における羊の放牧による牧草地造成 : 第2報 1962年の試験
山根 一郎飯泉 茂森 彰津田 恒之黒崎 順二佐藤 和夫菅原 亀悦小田島 守
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1965 年 11 巻 1 号 p. 34-41

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抄録

1962年に60aの野草地に12頭の羊を用いて,放牧の方法が牧草地造成に及ぼす影響を明かにするために試験を行った。しかし牧草地造成には失敗したが子羊は連続放牧区で体重を増加し,母羊は体重が減少した。牧草地造成の失敗の原因は次の2つと考えられる。即ち前年の枯草の堆積を火入れによって除かなかったため牧草の根は地中にしっかり張ることが出来なかった。又,羊の放牧頭数に対し野草量が多すぎたためである。更に7月上中旬の高温多雨の天候は失敗を助長したようである。羊の体重の増加は前年の試験より良好ではあったが,なお体重の増加が十分とは云えない原因は内部寄生虫のためと考えられる。

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© 1965 著者
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