日本草地学会誌
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低水分サイレージの調製利用に関する研究 : 第1報踏圧,無踏圧処理が品質,養分損失などに及ぼす影響と低水分サイレージの育成牛に対する飼養効果について
高野 信雄山下 良弘難波 直樹鈴木 慎二郎
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1968 年 14 巻 1 号 p. 44-50

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抄録
15トン容の試験用塔型サイロを用い,一貫機械化体系のもとで低水分サイレージを調製した。埋草時の踏圧の有無とサイレージの品質,消化率および養分回収率を調査し,あわせて育成牛に対する飼養効果について究明した。1.原料草は2番草でオーチャードグラスとラジノクローバを主体としたもので,刈取り後圧砕・反転で予乾を行ない,ハーベスターで収穫した。2.埋草にあたり常時踏圧を行なったサイロ1では1m^3 194.2kgの乾物が埋蔵されたが,無踏圧のサイロ2では123.5kgであった。3.サイレージ発酵温度は上部,中部,下部の順に高く,また無踏圧のサイレージは高温発酵を経過し,取出し後の再発酵やカビの発生が顕著に示された。4.サイレージはpH高く,乾物換算の有機酸含量が低く,酪酸は僅少であった。5.高温発酵を経過した無踏圧のサイレージは明らかに乾物,粗蛋白質,可溶無窒素物の消化率が低かった。6.踏圧したサイレージの乾物回収率は86.7%であったが,無踏圧のサイレージでは64.6%と低かった。7.育成牛に対して2番刈りの低水分サイレージを自由採食させた場合には,一日一頭あたり0.5kgの配合飼料給与で0.772kgの標準発育が示された。
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© 1968 著者
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