日本草地学会誌
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生稲わらの水分含量と詰込密度がサイレージの品質ならびに二次発酵に及ぼす影響
木部 久衛
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1979 年 25 巻 3 号 p. 246-250

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抄録

材料生稲わらの水分含量および詰込密度がサイレージの品質ならびに開封後の二次発酵にどのような影響をおよぼすかを調査する目的で,収穫直後の生稲わらを用いてつぎの6区すなわち1区(高水分,高密度区),2区(高水分,低密度区),3区(中水分,高密度区),4区(中水分,低密度区),5区(低水分,高密度区)および6区(低水分,低密度区)を設けた。なお生稲わらの水分含量は,高,中および低水分区でそれぞれ平均72,67および62%となり,また詰込密度は高および低密度区で500kg/m^3および400kg/m^3(いずれも原物重量)とした。室温にて6ヵ月間貯蔵した後これらサイレージの品質ならびに開封後の二次発酵を調査した。その結果,生稲わらサイレージのpH価は各水分区とも高密度処理の方が低密度処理に比較してかなり高い値を示したが,乳酸含量は逆に高密度区の方が少なかった。っぎに揮発性脂肪酸(VFA)の組成について調査した結果,低水分区の酢酸含量は高および中水分区に比較して高かったが,酪酸以上の高級VFA含量は逆に著しく低かった。サイロ開封後の温度変化については,高および中水分区の温度が低水分区の温度に比較して開封後6日目頃より上昇する傾向がみられた。さらに高および中水分区の中でも低密度処理の方が高密度処理にくらべて最高温度は高くなった。

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© 1979 著者
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