日本草地学会誌
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トールフェスクとメドーフェスクにおける生殖生長と栄養生長の関係
杉山 修一片岡 政之高橋 直秀後藤 寛治
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1985 年 31 巻 1 号 p. 16-25

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抄録

トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)21品種,自生系統を含むメドーフェスク(F. pratensis Huds.)18品種を供試し,両種における栄養生長と生殖生長の関係を調査した。個体植条件(50cm×25cm)で実験圃場に栽植した2年目の個体を対象に,種子収量,年間3回,5回の2刈取処理における茎葉収量を調査した。その他,トールフェスクのヨーロッパ由来の自然集団15系統について,種子生産性の調査も行なった。生殖生長期における栄養茎と生殖茎の相対的比率に関して,栄養生長と生殖生長の間に負の関係が認められた。生殖生長期に栄養茎の割合の高い品種ほど,多回刈取区での収量性が高くなった。他方,生殖生長期に生殖茎の割合の高い品種は,種子生産効率は高くなるが,少回刈取区に比べ,多回刈取区での収量性は低下した。一般に,両種とも育成品種は,自然集団に比べて,生殖生長期におけ生殖茎の割合が高くなる傾向を示した。

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© 1985 著者
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