日本草地学会誌
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サイレージの乾物含量並びに飼料価値の評価に関する研究 : VI.水分定量のためのトルエン蒸留法,凍結乾燥法及びガスクロマトグラフィーの評価と応用
内田 仙二
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1993 年 39 巻 2 号 p. 155-161

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抄録
サイレージの水分(乾物)定量のための改良法である修正トルエン蒸留法(TD),凍結真空乾燥法(FD),ガスクロマトグラフィー(GC)及び比較対照の加熱乾燥法(OD)の各法により水分定量試験を行い,定量値を比較検討するとともに,それらの応用について考察した。アルファルファとイタリアンライグラスの生草及びサイレージをそれぞれ分析試料に用い,上記各法により水分定量を実施した。実験結果より,生草では各定量法による定量値の差は小でODのみ若干高い値であった。いっぽう,サイレージでは各法にとる定量値の差が大で,他の方法に比べODでは有意に高く,GCでは有意に低い値が得られた。なお,いずれの試料においてもTDとFDによる定量値間に有意差は認められなかった。農家で生産された26点のイタリアンライグラスサイレージ(IS)及び36点のトウモロコシサイレージ(CS)を試料に用い,発酵品質と化学成分を調査するとともにOD,FD及びGCにより水分定量を実施した。供用したサイレージのFLIEG法による品質評点は,ISで67.8±25.6,CSで89.3±17.3であり,揮発性成分含量も試料により大きく異なった。水分の定量値(OD,FD,GC)はそれぞれ,ISで62.84±10.14,59.83±10.74,58.23±9.93(%),CSで67.40±6.16,65.95±6.29,64.03±6.73(5)で各方法による定量値間に有意差が認められた。定量値の相互関係について解析した結果,両種サイレージともODと他の方法との間に高い相関が検出され,ODの定量値からFD並びにGCの値が推定できる可能性が推察された。両実験の結果から,サイレージの水分含量をより正しく測定するために,これら改良法またはその推定法の有用性が示唆された。
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© 1993 著者
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