抄録
サイレージ用トウモロコシ市販13品種の生育比較試験を行う過程で,生育中期(播種49日目)の局地的強風雨により大規模な倒伏が生じたため,その倒伏程度および倒伏からの回復程度についての品種間差異を検討した。供試品種の倒伏面積および主稈傾斜角は倒伏発生時に絹糸抽出期が近く,草丈,稈長,重心高が高い品種ほどそれらの値が大きかった。倒伏を免れた個体について各品種の乳熟期に引倒し抵抗値の測定により耐倒伏性を比較した結果,供試品種間に有意な差は認められなかった。これらのことから,倒伏程度の品種間差は品種本来が持つ耐倒伏性の違いではなく,発育段階の違いによるものと推察された。倒伏からの回復の良否は倒伏発生時の草丈や重心高に影響されるが,倒伏発生が絹糸抽出20日以前であれば,収穫期までの間に倒伏からの回復が可能であった。