2021 年 67 巻 2 号 p. 75-81
粗飼料の嗜好性評価における試験の繰り返し数の影響を調べるため,めん羊4頭を用いて,細切したチモシー乾草とエンバク乾草の一対比較法による試験を合計15回実施した。その間,2種類のイネホールクロップサイレージ(イネWCS)とこれらにリンゴジュース粕(リンゴ粕)を原物で50%混合したリンゴ粕混合イネWCSの一対比較法による試験も5回ずつ実施した。乾草ではエンバクよりもチモシー,イネWCS単味ではべこごのみよりもネリカの選択採食性が有意に高かったが,試験を繰り返すとこれらの差がなくなった。リンゴ粕混合イネWCSの試験では,採食速度が高まりイネ種間の差はみられなかった。以上の結果から,乾草とイネWCS単味の試験では,試験を繰り返すとめん羊がこれらの選択採食性の差を識別しなくなると考えられた。