日本草地学会誌
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67 巻, 2 号
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研究報文
  • 梅木 直哉, 姜 東鎮, 河本 英憲, 松﨑 正敏
    2021 年 67 巻 2 号 p. 75-81
    発行日: 2021/07/15
    公開日: 2021/09/22
    ジャーナル フリー

    粗飼料の嗜好性評価における試験の繰り返し数の影響を調べるため,めん羊4頭を用いて,細切したチモシー乾草とエンバク乾草の一対比較法による試験を合計15回実施した。その間,2種類のイネホールクロップサイレージ(イネWCS)とこれらにリンゴジュース粕(リンゴ粕)を原物で50%混合したリンゴ粕混合イネWCSの一対比較法による試験も5回ずつ実施した。乾草ではエンバクよりもチモシー,イネWCS単味ではべこごのみよりもネリカの選択採食性が有意に高かったが,試験を繰り返すとこれらの差がなくなった。リンゴ粕混合イネWCSの試験では,採食速度が高まりイネ種間の差はみられなかった。以上の結果から,乾草とイネWCS単味の試験では,試験を繰り返すとめん羊がこれらの選択採食性の差を識別しなくなると考えられた。

  • 針本 翔太, 久保 満佐子
    2021 年 67 巻 2 号 p. 82-88
    発行日: 2021/07/15
    公開日: 2021/09/22
    ジャーナル フリー

    オキナグサは主に日本の半自然草原に生育する絶滅危惧種である。本種の実生の発生と生残に適した条件を把握することを目的として,2014年と2018年に異なる土質および光条件を設定して発芽実験を行った。土質は土壌およびリター,真砂土,砂礫とし,寒冷紗で明暗2つの光条件を設定した。その結果,本種の実生は明条件の土壌,暗条件の真砂土で多く発生し,生残は暗条件で多い傾向にあり,特にリターで生残率が高かった。このため,本種の種子は接触表面積が大きい小径の真砂土や水分を保持しやすい腐植した土壌で実生が多く発生し,特に水分を保持しやすいリターや暗条件で生残する傾向にあった。実生数は長期の無降水期間に減少し,実生の発生は6月,生残は7月から8月の安定した降水によって可能となることが示唆された。

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