地理学評論 Series A
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富山市のクラスター型コンパクトシティ政策と郊外のアクセシビリティ——婦中地域におけるシミュレーション——
秋元 菜摘
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2014 年 87 巻 4 号 p. 314-327

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抄録

地方都市郊外では,高齢化に伴い自動車に依存しない生活環境を実現する必要性が高まっている.富山市のクラスター型コンパクトシティ政策は,郊外拠点と都心を結ぶ公共交通の運行頻度の向上と,公共交通沿線に設定された居住推進地区への人口の集約化を軸として,日常生活におけるアクセシビリティ問題の解決を図るものである.本研究では同政策の内容に即した条件を設定し,富山市婦中地域において生活関連施設へのアクセシビリティをシミュレーションすることで政策の効果を定量的に示した.その結果,周辺部の50%以上の人口が居住推進地区に移住した場合にアクセシビリティが最も改善されることが明らかになった.また,高齢者は周辺部での居住比率が高いためにアクセシビリティが改善されやすいことも判明した.中長期的視点から高齢者を中心として居住推進地区への移住を促進しつつも,短期的には公共交通の運行頻度を高めることがアクセシビリティの改善に効果的である.

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© 2014 日本地理学会
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