地理学評論 Series A
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短報
山陰海岸ジオパークにおける住民の理解と参加
淺野 敏久馬 欣然
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2017 年 90 巻 4 号 p. 376-389

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抄録

自然遺産を保全し,地域づくりに活かすためにジオパーク認定を受けようとする地域が増えている.ジオパークでは,地域住民の理解と協力を得らえることが重視され,住民参加は認定の要件の一つになっている.本稿では,山陰海岸ジオパークを事例として,ジオパークに対する住民の意識と行動を,ウェブアンケート調査とジオガイド等への聞取り調査等を基に明らかにした.当地では,ジオパークは住民によく知られている.ただし,住民の関心は,ジオパークが強調する大地の成り立ちと人々の暮らしの関わりより,観光客と同様に温泉と食に向いている.また,ジオパークによる地域活性化への期待はあまり高くなく,むしろ自然保護につながるものと期待されている.ガイドはジオパーク全域よりジオサイトへの強い愛着に基づく行動をしており,ジオパーク的な情報は説明の選択肢の一つと割り切っている例もあった.

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© 2017 公益社団法人日本地理学会
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