地理学評論
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中部日本における冬の地上風系
とくに冬の季節風に関連して
河村 武
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1966 年 39 巻 8 号 p. 538-554

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抄録
中部日本における冬の地上風の詳細な分布を,気圧配置とくに季節風に伴う気流型の変化と対応づけて明らかにすることを企てた.
そのため,全域で約600地点の区内観測資料を記入した100枚の地上風の流線図を作成して検討した結果,季節風に伴う気流型の推移に対応して,局地風系の分布にも特色のある変化が認められた.この流線図を分類すると,その主要部分は第1表中の4種類に型分けされ,気圧配置との間に明らかな対応がある.とくに重要な点は,風道と考えられる強風域,主に地形の影響と思われる弱風域,異なった風系の間に見られる不連続線などが各型により,おおよそ定まった場所に出現することである(第10図).
以上の事実にもとづき,具体的な作業規約に従って各型別の詳細な風の分布図(第6図~第9図)を作成して,局地風の分布の特徴を明らかにした.最後にこの図に表わされた局地風系が気温あるいは場合によっては天気の分布に対して,深い関係があることを指摘した.
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