霊長類研究 Supplement
第22回日本霊長類学会大会
セッションID: P-42
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ポスター発表
ニホンザルの妊娠中および出産後の血中レプチン動態 ー胎盤は大量のレプチンを分泌しているー
*清水 慶子伊藤 麻里子児嶋 ちひろ渡辺 元林 基治田谷 一善
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抄録
<目的> 主に脂肪細胞から分泌されるホルモンであるレプチンは、ヒトや齧歯類において、体の成長発達や生殖機能の調節に関与していると考えられている。私たちは昨年の第21回大会で、マカクザルの血中レプチン値には種差が見られること、ニホンザルにおいては季節変化があることを報告した。さらに近年、ヒトにおいて胎盤が大量のレプチンを分泌しているとの報告がなされた。
<方法> これらのことから、今回私たちは、当施設にて作成された受胎日の明らかな妊娠ニホンザルを用い、妊娠中から分娩、さらに授乳期の血中レプチン動態を調べた。また同時にインヒビンや他の生殖関連ホルモン濃度を測定し、これらとの関係を調べた。さらに、妊娠中のレプチンの分泌源を知る目的で胎盤を採取し、胎盤組織中のレプチン量を調べた。また胎盤組織を用い、免疫組織化学的にレプチン陽性細胞の局在を調べた。
<結果および考察> その結果、ニホンザルにおいて血中レプチン量は妊娠初期の終わりから増加し、妊娠が終了するまで高値を示した。分娩後、血中レプチン量は急減し、授乳初期には妊娠初期と同程度の値を示した。血中インヒビンおよびエストラジオール量は妊娠の進行と共に増加し分娩後は急減した。これらのホルモンは妊娠中から分娩を通して授乳初期まで、血中レプチン量と正の相関を示した。また、胎盤には大量のレプチンが含まれていることが分かった。免疫組織化学的検索の結果、胎盤組織にはレプチン陽性細胞が多数観察された。これらのことから、妊娠ニホンザルでは、脂肪組織のみならず胎盤も妊娠中のレプチンの分泌源であることが示唆された。また、インヒビンやエストラジオールは妊娠中レプチン分泌に重要な役割を持つことが示唆された。
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© 2006 日本霊長類学会
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