地理学評論
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ユーゴスラヴィアのアドリア海岸における偏形樹によるボラ地域の調査
吉野 正敏三井 嘉都夫吉野 みどり吉村 稔漆原 和子上田 茂春大和田 道雄中村 圭三
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1974 年 47 巻 3 号 p. 155-164

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抄録
ユーゴスラヴィアのアドリア海岸において,偏形樹を指標として,ボラ地域の範囲を調査した.調査地域は北はイストリア半島から南はドブロフニクまで,クルク・ツレス・ロッシー二・ラブ・パグの島を含む.海岸に沿うディナールアルプスでは,峠を越して内陸まで横断観測を行なった.その結果,わかったことは次の通りである. (i) NEのボラが最も強いのはセーニ付近で,背後のヴラトニック峠から吹きだした強い気流は海上50~60kmにまで達する. (ii) これに接する北側と南側の地域では,海上数kmないし20kmにまで達する. (iii) ザダルから南は, NEの風はごく局地的に強いだけで,南部に近づくほどSEの風(ユーゴ)が卓越するようになる. (iv) アドリア海に面する斜面上では,海抜800mまでは強く, 1,000m付近で急に強さを減じる. 700~800mの峠の部分は局地的に強い. (v) 島では風上斜面と風下斜面のコントラストが極めて明らかである.また,鞍部になっている部分は非常に強い. (vi) 偏形樹が示す卓越風向の1月の平均風速と偏形度とは極めて高い相関がある.
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