地理学評論
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モンスーンアジアの夏季降水量の変動と総観場の変動
吉村 稔
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1982 年 55 巻 4 号 p. 223-238

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抄録
モンスーンアジアの夏季降水量に見られる変動傾向と大気大循環の関係を,主に因子分析の手法を使用して調査した結果,次のことが明らかとなった. (1) 同地域内はその変動傾向から a)インド北部・東部,ビルマ,フィリピン等と b) インド西部・南部,タイ,日本等の2地域群に大別できる. (2) これら地域群に異符号の降水量偏差をもたらすものは, 500mb・100mb面ともに同セクターの中緯度と高緯度の高度差であり, 500mb面における個々の天気系の強さ, 100mb面における南アジア高気圧の南縁部の動向は,若干異なった地域群に対し,前述の効果を持つ. (3) 因子スコアと高度場の相関,第1因子と第II因子の因子スコアの符号の組合せとの関係から,同セクターの500mb面では1929年まで高指数, 1930~1954年は平均的ないし低指数型で, 1955年以後変動が大きくなった.また100mb面では,第1期には,南アジア高気圧はその西部で発達,第2期には,やや南に張り出しの倍い時期と発達の悪い時期があったと考えられる.
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