抄録
ダイヤモンドのグレーディングを行う際、HPHT等の処理未処理を決定するには高度な分析を要することがあり、注意が必要である。 グレーディングを行う前にそういった処理されている可能性のある石を選別する際に一番有効な方法はフーリエ変換型赤外分光法(FT-IR)である。しかし、FT-IRで選別する作業は、1台が非常に高価であること、知識あるスタッフが必要であるといった問題点を抱えるため、数を捌くには適当ではないと思われる。こういった選別を容易に行うための機械として、HRDのD-Screen、DTCのDiamondSureが存在する。こういった機械を使うには知識あるスタッフは不必要であるし、機械のコストもFT-IRに比べると段違いに安い。しかし、これらの機械のメンテナンスはユーザーが行えない、費用時間がかかるといった問題点がある。
こういった問題を解決するべく、ダイヤモンドの分別に有効であると思われる機材を開発した。電子工作の初心者の方でも簡単に作成できるものであり、ほとんどのパーツは電子部品屋で簡単に集められるもので、部品代も上で紹介したものに比べると圧倒的に安価である。また、簡単に用意できるパーツで作成しているため、メンテナンスも容易で、実用的である。
今回はこの機材の作成方法と有効性について発表する。