主催: 日本歯科理工学会
演者らは、幼若永久歯の小窩裂溝齲蝕予防を目的として、炭酸ガスレーザーを用いたリン酸カルシウムのエナメル質表面への融着を試みている。融着するシーラントの組成およびレーザー照射条件の選定にあたり、以下の条件を考慮した。1.練和したシーラント材が小窩裂溝の最狭窄部まで填塞されるに適切な稠度を示し、填塞後数分で自己硬化する。2.エナメル質との融着にあたり、照射する炭酸ガスレーザーのエネルギー密度は、エナメル質の損傷を考慮してできるかぎり低いこと。3.レーザーを照射されたシーラント材は小窩裂溝部を封鎖し、フッ素徐放性を示す。本研究では、β- Ca2P2O7と,CaF2添加したβ-TCP/MCPMセメントの硬化挙動と、このセメントのレーザー融着シーラントとしての可能性を検討したので報告する