抄録
高フィラー型硬質レジンは, フィラー配合量の増加およびマトリックスレジンの改良によって, 臼歯部に応用可能な審美的歯冠修復材料として注目されている. 演者らは, 高フィラー型硬質レジン補修後の接着強さの向上には破断面の表面処理が有効であり1), サーマルサイクル20×103回までの接着耐久試験からはシラン処理が有効であることを報告してきた2). 今回は, 高フィラー型硬質レジンの光·加熱重合型であるEstenia(Kuraray), Targis(Ivoclar Vivadent)およびbelleGlass HP(Kerr)の補修試料に50×103回のサーマルサイクルを負荷し, 曲げ接着強さに及ぼす影響について検討を行った.
本実験結果から, 高フィラー型硬質レジンはサーマルサイクルにより補修後の曲げ接着強さが低下するものの, シラン処理およびシラン処理とボンディング処理の併用は, サーマルサイクル50×103回後でも接着強さを維持できる補修法であることが判明した.