日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成14年度春期第39回日本歯科理工学会学術講演会
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第1日 一般講演(口頭発表)
エナメル基質タンパク質(エムドゲイン®)のラット骨髄由来細胞(RBMC)の分化誘導による評価
川瀬 俊夫根岸 秀幸出口 眞二楳本 貢三
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p. 2

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抄録
近年、組織再生医療のために再生医療工学の進歩は目覚しいものがある。生体材料と幹細胞を含む細胞集団によって組織再生が達成されている。歯周組織再生の中で、エナメル基質タンパク質(EMD: エムドゲイン®)による歯周治療法は臨床的に極めて有効であるとの報告がある。我々はEMDをサイトカインのような生理活性物質ではなく、足場(Schafold)としての役割を考えている。以前より、我々はヒト歯根膜線維芽細胞(HPLF)の培養系を確立し、HPLFが産生するタンパク質(HPLF-CM、CMP)に細胞接着·伸展因子(CASFs)活性を見出している。CASFsは歯根膜の再生に重要な因子で、足場としての役割もその一つとして考えている。歯周組織の再生は歯根膜ばかりでなく、歯槽骨とセメント質の再生を伴わなければ成功したとはいえない。そこで、歯根膜に未分化な組織性幹細胞の存在が期待される。そのために本研究においてラット骨髄由来の付着性の細胞(RBMC)を未分化間葉系細胞集団として扱い、足場としてEMDとCMPがRBMCの骨系細胞への分化誘導するのかどうか、評価することを試みた。
これらのことから、EMDとCPMに対するRBMCの応答は異なり、RBMCは足場としての細胞外基質タンパク(ECM)を認識していることが示唆され、EMDは未分化な間葉系細胞の分化調節に関わっていることが評価された。また、歯周組織再生には歯根膜の線維芽細胞も必須の存在であることも示唆された。
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© 2002 日本歯科理工学会
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