抄録
Hillら[1]によって開発されたSiO2-Al2O3-P2O5-CaO-CaF2系ガラスは結晶化によりアパタイトとムライトを析出し高強度のグラスセラミックスとして生体材料への応用研究が行われている。アパタイトの析出にはフッ素の存在が不可欠であり、ガラス構造ならびに結晶化に及ぼすフッ素の影響についての基礎的研究を彼らと共同で行ってきた。このガラス組成は歯科用グラスポリアルケノエートセメントの組成に類似しており、セメントヘの応用についても検討されてきた。今回の発表では、フッ素含有量の異なるガラスを用いたセメントの硬化反応をMAS NMRにより検討した結果を報告する。
フッ素を添加したセメントの方が6配位のピーク強度が高く反応率が高いことがわかる。このことが、圧縮強度の高くなる原因と考えられる。