抄録
ガリオロジーにおける研究成果から齲蝕は齲蝕原性菌による感染症であり, 主要菌とされるミュータンスレンサ球菌の除菌にはクロルヘキシジン(CHX)が有効であることが示唆されている. 欧米ではCHX配合薬剤が各種市販されているものの, 本邦においては洗口剤や歯磨剤などで応用されているのみである. 一方, 齲蝕予防にはフッ素徐放性材料の応用が効果的であるが, 除菌効果はあまり期待できない. そこで, フッ素のチャージアップ作用を有するグラスアイオノマーセメント(GIC)にCHXを添加した場合の除菌作用を検討する目的で本研究を企画した. 今回は, CHX添加がGICの硬化時間と間接引張強さ(DTS)に及ぼす影響について報告する.
図1に示すように, Type IIはCCよりも硬化時間とDTSが有意に大きかった. 一方, 図2のようにCHXの添加により硬化時間は有意に増加し, またDTSは有意に減少した.