抄録
現在、歯科鋳造用合金として、種々の成分·組成のものが使用されている。このうち、貴金属合金については、極微量のPdやCuが溶出し、金属アレルギーの原因となることが報告されている。口腔内において、それぞれの合金について、どの成分があるいはどの相が腐食し、それがどのように進行して行くのか等について、いくつか報告がみられるが、その詳細は未だ不十分と思われる。そこで、金濃度の異なる七種類の市販の貴金属合金について、口腔内に4年間装着された貴金属合金について腐食の状況を観察し、検討した。
C1sのピークが高く有機物等が多く存在していることが、また、In、SnそしてZnの酸化物の存在が予測された。硫化物は存在しないことも示唆された。これらの傾向は金濃度の高い試料でも同様に見出された。