肺癌
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症例
パゾパニブ投与中に続発性気胸を発症した粘液線維肉腫肺転移の1例
元石 充岡本 圭伍片岡 瑛子澤井 聡安井 久晃
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キーワード: パゾパニブ, 気胸, 肉腫
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2013 年 53 巻 7 号 p. 888-892

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抄録
背景.パゾパニブはマルチターゲットチロシンキナーゼ阻害薬であり,頻度の高い有害事象として高血圧,疲労,嘔気,下痢,体重減少,肝障害がある.軟部肉腫に対するパゾパニブの臨床試験で気胸が報告されているが詳細な報告はみられず,治療との関係は不明である.症例.症例は73歳男性.左胸壁原発粘液線維肉腫肺転移に対しドキソルビシンの投与を行ったが奏功せず,パゾパニブ(800 mg/日)を開始した.治療開始10日後に右胸痛と呼吸苦を自覚,胸部X線上右緊張性気胸を認め胸腔ドレナージを行った.胸部CTで両肺多発結節影を認めたがパゾパニブ開始前よりやや縮小しており,右上葉の転移巣は薄壁空洞化していた.高度なエアーリークがみられるため手術を施行,術中に右肺上葉の空洞化した転移巣からエアーリークを確認し,病巣を含めた肺部分切除術を行った.組織学的には高悪性度粘液線維肉腫と診断され,腫瘍の臓側胸膜への浸潤,胸腔への露出,及び臓側胸膜の破綻を認めた.以上より,パゾパニブの有害事象として発症した続発性気胸と診断した.結論.肺転移を有する症例にパゾパニブを投与する際は,気胸の発症に留意する必要があると考えられる.
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© 2013 日本肺癌学会
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