抄録
背景.echinoderm microtubule-associated protein-like 4-anaplastic lymphoma kinase(EML4-ALK)融合遺伝子は,非小細胞肺癌におけるoncogenic driver mutationの1つである.crizotinibはfluorescence in situ hybridization(FISH)でEML4-ALK陽性の肺癌(ALK肺癌)に対して有効性が示されている.症例.54歳男性,肺腺癌.初診時と3次治療後の組織検体はどちらもALK immunohistochemistryは陽性,EML4-ALK FISHは判定不能であったが,crizotinibを開始し,良好な奏効を認めた.当院でこれまでに提出したEML4-ALK FISHの検査結果は13/23(57%)が判定不能であった.当院で包埋前の組織マーキング時に使用されていたマーキュロクロムは,緑色に蛍光発色するため,FISHの評価を困難にする.結論.ALK肺癌の正確な診断には,検体の保存や処理方法の確認をすることも重要であると考えられた.