肺癌
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肺小細胞癌の病理組織学的検討
殊に, 組織像と肺内局所進展様相について
児玉 哲郎下里 幸雄鈴木 明末舛 恵一石川 七郎
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1977 年 17 巻 1 号 p. 31-45

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抄録
1962年から1975年末までの肺小細胞癌手術例35例, 剖検例110例を病理組織学的に検討した. 細胞の大きさから, 燕麦細胞型と中間細胞型とに細分類したが両者にはしばしば移行像がみられた. 後者では腫瘍の一部で扁平上皮, 腺上皮への分化がみられた. 肺内進展では, 主として気管支では気管支壁内性, リンパ行性に拡がり, 末梢肺では既存の肺胞構造を残存して拡がっていた. 中間細胞型のなかには組織学的にも肉眼的にも, 扁平上皮癌, 腺癌の特徴を有するものがあり, 予後がややよかった. 組織学的に小細胞癌として包括されたものには種々あり, 臨床病理学的にこれを細分類する必要性を感じ, その試案を述べた.
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© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
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