肺癌無治療剖検症例36例と抗癌治療症例204例の生存期間, 剖検時の腫瘍の拡がり, 背景因子について比較検討した.抗癌治療群の生存期間は無抗癌治療群よりも有意に延長していた.抗癌治療群ではX線発見例の生存期間のほうが自覚症状発見例よりも有意に延長していた.剖検時の腫瘍の拡がりは抗癌治療群のほうが無抗癌治療群よりも広範であった.背景因子の比較では無抗癌治療群のほうが年齢が高齢である以外には明らかな差はみられなかった.抗癌治療をしたほうが生存期間は延長するが, 死亡時の腫瘍の拡がりも広範であることが明らかとなった.