抄録
【目的】遂行機能とその障害を反映させた個別のセルフケアの評価法である Self-care ratingfor dementia, extended (SCR-DE) の妥当性を検討する。【対象】信頼できる情報提供者となる同居家族から協力の同意を得た在宅療養中のアルツハイマー病患者 31 名。【方法】先行研究を踏まえて, SCR-DE の摂食の評定段階 2. 3. の記述に語句を追加した。評価者は必要に応じて SCR-DE の各評定段階の記述を読み上げて対象者に提示したが, 最終的な評価は半構造化インタビューの形式で行った。SCR-DE の各下位項目 (更衣, 入浴, 整容, 摂食, 排泄, セルフケア全体) の評定と患者, 疾患, 認知機能の諸属性との関係を検討した。【結果】SCR-DE の全下位項目で CDR の全般重症度および DEX-D との間に有意な相関がみられた。下位項目のうち更衣, 整容, セルフケア全体は ADAS の観念行為との間に有意な相関がみられた。重相関分析で年齢と全般重症度の要因を除外しても, SCR-DE の合計スコアと DEX-D との間の偏相関係数は有意であった。【考察】SCR-DE が遂行機能障害の各指標と有意に相関していたことから, 遂行機能障害を反映する尺度として十分な妥当性があることが示唆された。