2012 年 32 巻 2 号 p. 237-243
ファンクショナル MRI を用いてびまん性軸索損傷患者の前頭葉機能を検討したところ, (1) paced auditory serial addition test にて両側背外側前頭前野が, (2) errorful 学習にて両側後部頭頂葉が, (3) 自己知識課題にて背内側前頭前野が, 健常者よりも活動増大を示した。これらは, びまん性軸索損傷の機能回復過程における代償的脳活動を意味すると考えられた。パフォーマンスと脳活動の関係は一定でなく, 特に機能回復過程においてはその意味付けに慎重を要する。