高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
脳損傷理解 (UBI) グループを経験した高次脳機能障害症例の障害認識と行動変化
江尻 知穂俵 あゆみ塚越 千尋蜂谷 敦子納谷 敦夫
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2019 年 39 巻 4 号 p. 429-435

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抄録

  脳損傷者が自己の脳損傷について理解することは, アウェアネスや自尊心の向上につながるとされる。少人数の学習グループである脳損傷理解 ( understanding brain injury : UBI ) に参加した頭部外傷による高次脳機能障害の一症例の経過より, UBI を経験したことで意識や行動がどのように変化したかを検討した。結果, 症例の脳損傷に対する理解が進み, 認知障害に対する不安や孤立感が減少した。また, UBI がきっかけとなり, 易怒性を理解し, 場の雰囲気に配慮する言動が増えた。UBI の中で自己の障害を他者に開示し, 他者と共有し肯定される機会を持ったことで, 障害認識が向上し, リハビリテーションに対する動機付けを得られ, またグループへの帰属感が高まったと推察された。UBI は安心できる環境を保障し, 障害認識を高め, 社会復帰に向けた効果的なリハビリテーションを進める上で有用であると考えられた。

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© 2019 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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