高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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教育講演
分配性注意と二重課題
豊倉 穣
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2021 年 41 巻 2 号 p. 193-203

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抄録

  2 つの課題を同時に行うと成績が低下する二重課題コストの発現機序は完全には解明されていない。 機能画像, 事象関連電位, 磁気刺激, 動物実験など多彩な研究手法によって二重課題の処理メカニズムが検討されている。最近の機能画像のメタアナリシスでは, 両側の 3 領域(背側前運動野, 頭頂間溝, 前頭弁蓋部)と左側の 2 領域(下前頭溝~中前頭回, 下前頭回~上側頭回の前部)が処理要求の増大に対処する資源共有モデルの能動的, 機能的適応プロセスを反映していると報告されている。
  脳損傷はしばしば情報処理速度の低下をもたらすが, 分配性注意の障害をきたすこともある。両者は並存することが少なくない。その場合, 分配性注意障害の正確な診断は困難となる。
  複数作業の同時処理困難に対して二重課題を用いた認知リハビリテーションの効果が報告されている。 これによって実生活での改善も期待できる可能性がある。

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© 2021 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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