2023 年 43 巻 2 号 p. 142-146
脳損傷により高次脳機能障害を有する患者に対して, 実車評価によって問題となる運転行動を特定することは, 危険運転のメカニズムを理解することにつながる。また, 脳損傷後に低下した運転関連技能を再教育するためのリハビリテーションプログラムでは, これらの技能に焦点を当てることができ, 介入を効率的かつ効果的に行える可能性が高まる。本稿では, 脳損傷者が示す問題となる運転行動について概観し, 著者らが実施した脳損傷者の運転行動の難易度に関する研究結果について紹介する。