人間生活文化研究
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非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルマウスの開発と評価
工藤 陽香青江 誠一郎
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2014 年 2014 巻 24 号 p. 200-203

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抄録

【目的及び方法】メタボリックシンドロームと共に近年急増しているのが,肝臓に過度な脂肪が蓄積する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)である.NASHモデルマウスの作製では高脂肪食を与える方法が多かったが,飼育期間が長期にわたってしまうという問題点があった.そこで,ストレプトゾトシン(STZ)を生後に投与して発生させるモデルが開発され,人間と同じ進行で脂肪肝を進行することが出来るという論文が発表された.そこで,新生児雄マウスにSTZを投与してNASHモデルマウスを作製し,発症状態を検討した.【結果】体重は,STZ群でコントロール群よりも有意に低下した.しかし,肝臓重量はSTZ群でコントロール群よりも有意に増加した.Oil Red O染色による脂肪滴数は,STZ群で有意に増加した.血清脂質は,血中総コレステロール濃度が有意に増加した.【考察】肝臓重量が有意に増加しているにも関わらず体重が減少した理由としては,糖尿病の発症が進行したためだと思われる.本研究において,STZを新生児に投与すると,早期にNASHを発症することが確認された.

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© 2014 大妻女子大学人間生活文化研究所
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