2015 年 2015 巻 25 号 p. 182-185
浴衣の製作において初心者が特に苦労する事として,縫いに入る前段階の「柄合わせや裁断」が挙げられる.布の裁断が速やかにできるように支援するための方法はこれまでにもいくつか研究されている.しかし,いずれの方法も実際に講義で使う際などには課題を抱えている点も多く,一般化されていないのが現状である.
そこで本研究では浴衣地として代表的な注染染めの浴衣の反物を取り上げ,初心者が浴衣の柄合わせを行う際の手法を考察する.和裁初心者でも着装時に柄行きの見栄えがよい浴衣を製作することが可能な裁断法を考察することを目的としている.
平成26年度は,先行研究によって明らかになった柄合わせの課題を分析した.そしてその課題を解決するための方法を考察すべく,注染浴衣地の現状調査を行い,加えて反物の状態のビジュアルから着装姿の状態での柄行きをシミュレーションする方法を見出した.