人間生活文化研究
Online ISSN : 2187-1930
ISSN-L : 2187-1930
報告
描く楽しみが広がる「紙アプリ」を用いた教育実践
―全国の学校の先生との共同の取り組み―
生田 茂石飛 了一田上 幸太根本 文雄山下 さつき相川 智子永瀬 揚子五月女 智子高原 いずみ金指 葉子阿閉 暢子尾池 佳子大島 真理子遠藤 貴裕難波 美香藤原 直子吉本 朋彦
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キーワード: 紙アプリ, 教育実践, 描画
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2017 年 2017 巻 27 号 p. 105-120

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抄録

 株式会社リコーの開発した「描いた絵が動き出す『紙アプリ』を用いた教育実践」を,全国の5つの通常学校,6つの特別支援学校,1つの保育園,1つの放課後キッズクラブで行った.学校の授業の一環として,展覧会や作品展や文化祭で,休み時間に,そして,放課後に取り組まれた.今回用いたアプリは,描いた絵が海の生き物のように自由に泳ぎ回る「紙アクアリウム」と描いた絵がコースを走りレースを繰り広げる「激闘!紙レーサー」であり,いずれも児童生徒が描いた絵の形や色を解析して,その動きや速さが変わるように設計されている.「紙アクアリウム」においては,本来の水族館としての利用の他に,展覧会の舞台背景としての利用や児童生徒の劇の発表の背景表示として利用された.参加した児童生徒は,ある時は競い合いながら,ある時は協働しながら,描く絵の形や色を工夫しながら,楽しく取り組むことができた.知的障害や肢体不自由を持つ児童生徒が通う特別支援学校においても,学校ごとに取り組む上での課題を明らかにしながら,児童生徒が楽しみながら,そして,助け合い,工夫しながら協働する活動として取り組むことができた.いずれの学校においても,絵を描くことが苦手な児童生徒も,「絵の良し悪しだけでは勝負や動きが決まらない紙アプリ」を用いた本実践活動に積極的に関わることができ,絵を描くことの楽しさを味合うことができた.学校の全てのクラスの図工の授業で取り組んだところや劇の発表の背景表示として利用したところもあり,本「紙アプリ」の教育上の価値を再認識する取り組みとなった.

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© 2017 大妻女子大学人間生活文化研究所
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